ローコード/ノーコードのメリット・デメリット
現場によっては、自動テストを導入する際に「ローコード」や「ノーコード」ツールの活用を検討していたり、すでに導入しているケースもあるかもしれません。
これらのツールは、プログラミングの知識が少ない人でも比較的簡単に扱えるという点で魅力的です。
ただし、私個人としてはローコードの導入は慎重に検討すべきだと考えています。一見便利に見えても、長期的な運用や柔軟な対応が求められる場面では制約が多く、かえって手間になるケースも少なくありません。
以下に、ローコード/ノーコードツールのメリットとデメリットを整理しました。判断の参考にしてみてください。
メリット
短期利用には有効
一時的なプロジェクトやPoC(概念実証)であれば、導入の手間が少なくスピード感がある。
非エンジニアでもテスト作成が可能
専門知識がなくても操作できるため、QAや非技術職でも扱いやすい。
予算をかければ対応範囲が広がる
機能拡張やサポートにより、ある程度複雑なテストも実現可能。
デメリット
費用が高く、構造が不透明
実行回数課金や機能単位の追加費用が発生しやすく、長期運用ではコストが膨らむ。
導入に時間と手間がかかる
ツール選定・機能比較・コスト評価など、検討プロセスが煩雑。「この機能は自動化不可」「これは可能」といった判断が必要になり、運用が複雑化する。
実行速度が遅め
Playwright等のコードベースツールに比べ、テスト実行が遅い傾向がある。
ベンダーロックインのリスク
セキュリティ事故や価格改定、新機能の未対応など、ツール提供企業に依存するリスクが大きい。
カスタマイズ性が弱い
テストの細かい制御(例:リトライ処理、CI連携、レビュー工程など)が難しい場合がある。
Webアプリ以外には非対応が多い
モバイルやAPI、非GUI系テストには向かないケースが多い。
「手軽さ」がもたらす、思わぬ落とし穴
ここで、ローコードツールが抱える、ジレンマについてお話しします。
それは、「知識がないからこそ手軽なツールを導入したのに、知識がないからこそ、ツールの制約にぶつかった時に乗り越えられない」という問題です。
手軽に始められる反面、少しでも想定外のことが起きると、ツールの内部がブラックボックスなため、自分たちでは解決できなくなってしまうのです。
どちらが良い・悪いということではありません。しかし、長期的な視点で、自分たちの手で品質を守り続けていく「力」を身につけるためには、Playwrightのようなコードベースのツールで基礎を学ぶことが、結果的に最も確実で、コストパフォーマンスの高い道筋となることが多いのです。